読書から学ぶシリーズ第三弾。
今回は「本当の自由を手に入れる お金の大学/両@リベ大学長」を読んでみました。
社会人になって実際に投資を始めた私ですが、「お金」のことに関してまだまだ知識が足りないなと最近感じ始めていました。
そこで、YouTubeでも話題の「リベラルアーツ大学」のチャンネルを運営している両学長の本を読んで勉強することで、大切なことは何なのかをこの記事で振り返りながら改めて学んでいこうと思います。今回は「お金を貯める編」を学んでいきます。
長めの記事となっていますが、目次より該当箇所へ飛ぶことが可能です。
~読書から学ぶ~
「貯める力」=生活の満足度を下げずに支出を減らす力
生活費(支出)<資産所得
資産を貯めるスピードがUPする!!
固定費を抑えよう!
通信費
スマホを格安SIMに変えよう!
・利用料金が毎月約5,000円安くなる
・キャリアメールが使えない
・通信速度が遅くなる
光熱費
電力会社を乗り換えよう!
2016年4月から自由に電力会社を選べるようになりました。
電力会社の乗り換えには基本的に工事不要、ネットで簡単申し込みのみ。
1.毎月の電気使用量と金額を確認しよう!
2.料金をシミュレーションしよう!(各社の料金比較)
3.新しい会社に申し込もう!
保険
保険を正しく見直そう!
・低確率で大損失(生活の破綻)の場合=保険で備える
・損失が小さい場合=貯金で備える
低確率&大損失で考えると必要な保険は以下の3つです。
1.生命保険
2.火災保険
3.自動車保険
いずれも低確率で金額は数千万~数億円の損失額になるものです。
これら以外に関しては社会保険がカバーしてくれます。
~社会保険~
社会保険がカバーしてくれる7つのリスクはこちら
1.病気・ケガのリスク
2.障害リスク
3.死亡リスク
4.失業リスク
5.老後リスク
6.介護リスク
7.出産費用のリスク
1.病気・ケガのリスクを見直そう!
・日本は「国民皆保険」です。
職業によって加入する保険の違いはあれど、国民全員が保険に入れるようになり、医療を平等に受けられるようになりました。
健康保険
国民健康保険
後期高齢者医療制度
保険料負担 | 扶養制度 | その他制度 | |
---|---|---|---|
健康保険 | 会社と折半 | あり | 傷病手当金など |
国民健康保険 | 全額自己負担 | なし | なし |
自営業・フリーランスの方は、妻子がいるとすると、それぞれが国民健康保険に加入して保険料を負担する必要があります。
傷病手当金は、病気やケガで動けなくなった時に生活を保障するために支給されるお金です。
受給条件
1.業務外の病気や障害により、休業していること
2.療養のために仕事に就くことが出来ないこと
3.連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けないこと
4.休業中に給与の支払いがなかったこと
・自己負担は原則3割(自己負担額には上限がある)
病院などで自己負担が3割で良いということはほとんどの人が理解できています。
しかし、自己負担額には「上限」があることをご存じでしょうか?
~高額療養費制度~
高額療養費制度:医療費が高額となり自己負担額を超えた場合、超過分が後で払い戻される制度。
例)
・総医療費が100万円
・報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方の場合
80,100円+(総医療費-267,000円×1%)=8.7万円
ということで、結果的には3割の30万円ではなくて、8.7万円を支払えば良いということになります。
以上のことを踏まえると、日本の健康保険はものすごく充実していると言えます。
ちなみに「がん保険」に関して、
アフラックの「生きるためのがん保険ALL-in」を参考にすると、
・20歳から50歳まで払い続けると「約169万円」
・20歳から60歳まで払い続けると「約280万円」
・20歳から70歳まで払い続けると「約495万円」
が必要になることがわかりました。
ということは、高額療養費制度があるので、
若い時から貯金をして、実際に病気になった時に100万円程度の自己負担をすれば結果的に得をすることになります。また、確実にがんになるわけでも無いので確率的な話から言っても必ずしも必要とは言えないのかもしれません。
2.障害リスクを見直そう!
~障害年金~
障害年金:病気やケガによって、生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることが出来る年金(現役世代の方でも受給可)。
障害基礎年金 | 障害厚生年金 | |
---|---|---|
会社員・公務員 | あり | あり |
自営業・フリーランス | あり | なし |
受給条件
1.「※初診日」を証明できること。※病気・ケガで医師に初めて診察してもらった日
2.初診日に国民年金(厚生年金)に加入しており、加入期間の3分の2以上、保険料を納めていること。
3.「※障害認定日」に障害状態であること※初診日から1年6か月又は病気やケガが治った日
3.死亡リスクを見直そう!
~遺族年金~
遺族年金:「国民年金」や「厚生年金」の加入者が亡くなった場合に遺族が受け取れる年金。
「遺族年金」には以下の2種類があります。
1.遺族基礎年金
78万1,700円+第1&2子(各22万4,900円)+第3子以降(各7万5,000円)
2.遺族厚生年金
※平均標準報酬額によって決まる※会社員時代の給料水準で、受給額が決まる
遺族基礎年金 | 遺族厚生年金 | |
---|---|---|
会社員・公務員 | あり | あり |
自営業・フリーランス | あり | なし |
4.失業リスクを見直そう!
~失業給付金~
失業給付金:雇用保険の被保険者が失業した場合にもらえるお金
受給条件
1.ハローワークにて求職の申し込みを行っており、働く意思・能力があるにもかかわらず就業できない状態にあること。
2.離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12ヵ月以上あること。
受給額計算
賃金日額×給付率×所定給付日数
失業保険の受給開始時期
自己都合退職の場合
ハロワに申請して7日後の待機満了日から約3か月後に1回目の受給
会社都合退職の場合
ハロワに申請して7日後の待機満了日から約1か月後に1回目の受給
ちなみに、
失業給付金の他にも雇用保険のメリットがあり、
「就業手当」「再就職手当」「教育訓練給付金」「育児・介護失業給付金」など
会社員には手厚い保障があります。
5.老後リスクを見直そう!
~年金制度~
公的年金には3つの財源があります。
1.現役世代が負担する保険料
年金受給者へと渡るため、自分が将来受け取る年金を積み立てている訳ではない。
2.税金等
消費税などの税金も年金受給者へと渡る。
3.積立金
年金積立を管理・運用している法人の積立金から年金受給者に支払われる。
年金受給額
国民年金
最低10年以上の納付済期間がある場合のみ受給可能。
年額 最大約78万円(40年満額納付済みの場合)
例)10年納付済みの場合
78万円×120ヵ月/480ヵ月=約19.5万円/年
65歳から10年間生きれば元が取れ、それ以降は長生きするほど得になるため、払い損になる可能性は低い。
※男性:保険料支払額の1.6倍もらえる 女性:保険料支払額の2.2倍もらえる
厚生年金
会社員・公務員のみ受給可能。
勤続年数×平均年収×0.005481
例)勤続40年 平均年収500万円の場合
40(年)×500(万円)×0.005481=約110万円/年
65歳から10年間生きれば元が取れ、それ以降は長生きするほど得になるため、払い損になる可能性は低い。
※男性:保険料支払額の1.7倍もらえる 女性:保険料支払額の2.3倍もらえる
6.介護リスクを見直そう!
~介護保険~
介護保険:要介護状態になって介護サービスを利用した際に「その費用の自己負担が1割で済む」という保険。40歳から保険料を納めることで、将来自分が要介護認定された時に介護保険の恩恵を受けられる。
※500万円は40歳~65歳まで毎年20万円の貯金が出来ればOKな金額。
7.出産リスクを見直そう!
出産・育休中に補助を受けられる
1.出産育児一時金:出産費用をケアする制度
出産時に約40万円のお金が支給される。(健康保険・国民健康保険の制度)
2.出産手当金&育児休業給付金:収入減をケアする制度
・出産のために仕事を休んだ場合、給料の3分の2程度の「出産手当金」が支給。
・1歳未満の子のために育児休業を取った場合、育休開始~180日までは給料の67%、181日目以降は給料の50%の「育児休業給付金」が支給。
不要な民間保険の整理をしよう!
必要な民間保険
1.火災保険
年間3,000円程度で入れる。掛け金に見合うリターンあり。入居の際に業者にオススメされる保険には要注意。
2.対人対物の損害保険
巨額の賠償金が発生してしまうため、自分のためにも相手のためにも必ず入っておく必要あり。
3.掛け捨ての死亡保険※子供がいる場合のみ
自活できない身内がいる場合は入っておく必要あり。
不要な民間保険
1.医療保険
国民一人当たりの年間医療費の平均額は約33万円。大きなお金がかかる治療でも公的保険・高額療養費制度を考慮すると自己負担は数十万円程度。
保険料を払い続けるより「公的保険+貯金」で備えた方が良い
2.貯蓄型生命保険
基本的に高い保険料・少ない保障額が特徴。大損失に対する備えにならないため「貯蓄」したいなら「預金」を選ぶべき。
「保険」をかけたいならより好条件の掛け捨ての保険を選ぶ。
3.個人年金保険
国民年金の下位互換+終身年金ではないため長生きリスクに対応してない。
お金を増やしたいなら「保険」ではなく、「投資」をすればいい。
4.学資保険
子供がいる家庭ではほぼ確実に学費が必要になるため、保険商品は成り立たない。
計画を立てて貯蓄・投資で対応すべき
5.地震保険
通常の火災保険では補償されない地震・津波・噴火に関する損害に備える保険ですが、保険金が出にくい保険。
東日本大震災の時でさえ被災した7割の人が「一部損」という判定。
そして、現時点での評価額のため、使用年数が経過するほど保険金の支払額もどんどん減っていく。
・全損:100%保険金支払い。
・大半損:60%保険金支払い。
・小半損:30%保険金支払い。
・一部損:5%保険金支払い。
どうしても加入したい場合には複数社で相見積もりをとるべき。
6.外貨建て保険
「保険でお金が増やせます」が売り文句の外貨建て保険。
手数料がかなり高く、為替変動による元本割れリスクのある最悪な詐欺保険。
お金を増やしたいならまっとうな「投資」をすべき。
家
賃貸VSマイホーム お得なのはどっち?
マイホーム
家の「リセールバリュー」を考えよう!
~リセールバリュー~
売る時にいくらで売れるのかの「売却時の金額」のこと。
リセールバリューが高くなる例
・一等地(都心・駅近)
・人気エリア
・住環境が良い など
日本の建物は「消耗品」。年数が経つにつれてどんどん価値が落ちていき、「建物」の価値は0に近づいていく。
つまり、リセールバリューが高くなる建物の正体は「値上がりする良い土地に建つ建物」になる。
そして、「賃貸よりマイホームがお得」は
不動産会社の人件費・広告費などの多額のコストが上乗せされた上に、購入した瞬間から価値が落ち続けていきます。さらに以下のようなリスクもあります。
・金利が急上昇
・病気やリストラでローン返済が滞る。
・転勤やご近所トラブルで住めなくなる
・津波や地震などの災害で住めなくなる
・離婚や死別により家族構成が変わる
・高層マンションが建つなど周囲の環境が変わる
※「経済的自由」を考えるなら賃貸ですが、負債してでも「心を豊かにするために」を考えるならマイホームもアリです。
賃貸
賃貸物件を安く借りよう!
大事な2ステップ
1.賃貸契約時に、複数の仲介業者で相見積もりを取る。
2.相見積もりを参考に適正料金で契約するように交渉する。
(やり取りはメール等で記録を残す)
※ちなみに、仲介手数料の上限は原則家賃の0.5ヵ月と法律で定められています。
入居時値下げ交渉時の注目ポイント
・礼金
業者が上乗せしている場合あるので必ず相見積もりを!
・保証会社加入料
50%が相場。高すぎるときは上乗せの可能性あり!
・仲介手数料
原則家賃の0.5ヵ月分。無料になることもあるので必ず相見積もりを取る!
・害虫駆除・室内消毒・ハウスクリーニング(効果なし)
どんな掃除をするのか聞いたうえで不要とハッキリと伝えよう!
・火災保険
業者で指定している場合もあるが、自分で選んだ安い保険に入りたい場合はしっかり伝えよう!
・鍵交換費用
相場は1万円。不要な場合は不要と伝えよう!
退去費用のチェックポイント例
・クロス:張り替え範囲の面積は?
・床:範囲と費用の根拠は?
・洗面台:何をどう修繕する必要がある?
・諸経費:内容が不明 など
退去者の無知に付け込んで10万、20万円をカモろうとするパターンも!
そして、退去時に理解しておくべき「現状回復義務」について
原状回復は「借りた時の状態」に戻すことではないことに注意!!
負担しなくていい損耗
通常の生活で発生する傷みや汚れ
・経年による壁紙の黄ばみ
・畳の日焼け
・家具設置によるフローリングの凹み
負担すべき損耗
自分の過失で発生した傷みや汚れ
・子供の落書き
・タバコのヤニ汚れや焦げ跡
・物をぶつけた破損
あくまで損耗箇所のみの負担のみ!!
車
車の必要性を見直そう!
車を20~70歳までの50年間所有すると、なんと生涯で約4000万円もかかる!
出来るだけ「マイカーを使わない努力」する為に、以下のような対策が出来ると良い。
・公共交通機関を使う
・レンタカー、カーシェアを都度使う
・タクシーを使う
・自転車を使う
それでも車が必要なら
消費と浪費を混同しない
消費:生活に必要なもの
浪費:生活に不要なもの。または、贅沢。
自動車保険を見直そう!
まず自動車保険には2種類があります。
・自賠責保険
車所有者全員が入る義務がある保険。
・任意保険
「対人・対物保険」「車両保険」の2種類。
任意保険の「対人・対物賠償責任保険」は入っておくべき保険。
自賠責保険の3000万円だけでは、交通事故を起こした相手に支払う慰謝料や物損の支払いには全然足りないため、限度額無制限に入っておくのが良い。(数億円の賠償が生じる)
税金
年収から見る税金の早見表
年収 | 税金 | 手取り |
---|---|---|
200万円 | 38万円 | 162万円 |
300万円 | 61万円 | 239万円 |
400万円 | 84万円 | 316万円 |
500万円 | 109万円 | 391万円 |
600万円 | 137万円 | 463万円 |
700万円 | 170万円 | 530万円 |
800万円 | 204万円 | 596万円 |
900万円 | 234万円 | 666万円 |
1000万円 | 264万円 | 736万円 |
所得税と住民税
所得税:国に払う税金
住民税:都道府県や市区町村に払う税金
所得税と住民税の税率表
課税される所得金額 | 所得税率(累進課税) | 住民税率(一律10%) |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 10% |
195万円~330万円以下 | 10% | 10% |
330万円~695万円以下 | 20% | 10% |
695万円~900万円以下 | 23% | 10% |
900万円~1800万円以下 | 33% | 10% |
1800万円~4000万円以下 | 40% | 10% |
4000万円越え | 45% | 10% |
税金は給与ではなく「課税所得」にかかる
課税所得:「給与」から「控除」を引いたもの
給与 ー 控除 = 課税所得
控除
控除の手続きは以下の2種類
①会社が年末調整で計算して申告してくれる控除
②自分で確定申告しないといけない控除
「ふるさと納税」「医療費控除」「扶養控除」
ふるさと納税をしよう!
自治体に寄付をすると実質負担2000円で返礼品がもらえる制度。
寄付額:4万円の場合
控除額:3万8000円+実質負担額2000円
金銭的に節税になるものではないが、2千円分以上のお礼品がもらえる!
ステップ1:控除の上限額を確認する
年収や家族構成によって異なるため、ネットでシミュレーションして確認する。
ステップ2:寄付する自治体を選んで申し込む
ネットショップで買い物する要領で「お礼の品」を選んで寄付の申し込みを行う。
ステップ3:2種類の方法から選んで控除を受ける
・確定申告:ふるさと納税をすると発行される受領証(寄付を証明する書類)を提出。
・ワンストップ特例:寄付先の自治体に申込書を送る方法。確定申告ナシで控除を受けられる。(1年間の寄付先が5自治体以内の場合のみ利用可)
医療費控除を申請しよう
・医師、歯科医師による診療や治療にかかったお金
・入院時の治療代、食事代
・治療のための医薬品の購入費用
・通院のためにかかった費用
・妊娠中の定期健診、出産 など
扶養控除を正しく理解しよう!
扶養控除
収入が少ない人(給与が103万円以下)と生計を一緒にしている場合、38~63万円の控除が受けられる。
配偶者控除
・税金の扶養:扶養される人の年収が103万円以下の場合
・社会保険の扶養:扶養される人の年収が130万円未満の場合
副業における節税
経費が使える
給与所得(給与-控除=課税所得)とは異なり、事業所得は以下のようになる。
売上-経費-控除(青色特別申告控除)=課税所得
「事業に関連するもの」は全て経費となる
(例)スマホ代、電気代、パソコン、本 など…
青色申告特別控除
事業所得でしか使えない控除で、一定条件を満たせば65万円の控除が受けられる。
青色申告特別控除 65万円控除の要件
1.複式簿記で記帳していること
2.電子申告で確定申告していること
今回は「貯める力」に関してたくさんのことを学んできました。
私自身もまずは「支出を減らす」ことから始めてみようと思います。
皆さんもこの機会に「お金」に関して勉強を始めてみてはいかがでしょうか?